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最近のトピックス

最近のトピックス  離婚後うつ病サポート外来


 離婚後のうつ病発症傾向
近年の離婚率の増加には著しいものがあり、厚生労働省の「平成20年 人口動態統計の年間推計」によりますと、平成20年の離婚件数は25万1000組で、ここ数年、年間離婚件数は約25万組~25万5千組で推移しています。年間約50万人の方が離婚し、10年間ではおよそ500万人の方が離婚している計算になります。
一方、ライフイベント(人生上の重要な出来事)調査では、うつ病発症と関連の深いライフイベントとして、離婚や死別、その他の喪失体験が挙げられています。すなわち、離婚後、高率にうつ病を発症するわけであり、離婚件数の多さを考え併せますと、離婚後にうつ病を発症した方は極めて多いと推察されます。

 離婚後うつ病の特徴
なぜ、離婚後にうつ病になる人が多いのでしょうか?
この疑問に答えるためには、なぜ人は結婚するのか? という問いにまず答える必要があるでしょう。
なぜ人は結婚するのか? それは人間の本能であって、つがいを形成し、子供を作り、自らのDNAを子々孫々伝えるためである、という見方もあるでしょうが、それは十分な解答ではありません。結婚とは社会制度であり、つがうだけなら結婚という社会制度に乗る必要はないからです。
これは私見ですが、人が結婚するのは、死に向かって着実に進行する人生において、寄る辺のなさ(心細さ)を感じ、つがうことにより相互に支え合い、寄る辺のなさの解消を図るためであり、つがい形成を結婚という形で社会制度化するのは、子供の安定的な養育に保障を与えるという意味も少なくないでしょうが、つがい形成の破綻にまつわる絶えざる不安を緩和するためだと思われます。
離婚に至った時点では、多くのものを喪失しています。配偶者を失い、家庭を失い、離婚をめぐる確執によってエネルギーを消耗し、そして何よりも、充実した人生にするべく努力してきた時間を失います。
DV(家庭内暴力)の被害者の方の場合、牢獄にも等しい結婚生活から解放される離婚は、まことに晴れやかなものだと思いますが、その場合でも、「時の喪失」は免れえません。離婚後にうつ病を発症しやすいのは、「時の喪失」を中心に貴重な多くのものを喪失するためであり、また、死すべき存在という根源的な寄る辺のなさに直面するためだと申せましょう。そして、この多大な対象喪失体験と寄る辺のなさが離婚後うつ病の特徴となっています。

 『離婚後うつ病サポート外来』とは?
離婚後うつ病の治療にあたっては、喪失体験に十分な配慮をするとともに、死すべき存在に起因する寄る辺のなさを常に念頭において治療することがひときわ重要になってきます。離婚が成立したということは、再び結婚ないしはつがい形成の可能性に開かれたということに他なりません。
通常、人は独立独歩に生き抜けるほど強靭な存在ではないでしょう。したがって、離婚後うつ病の場合、新たなパートナーと相互に支え合う関係、「相互サポート関係」を構築することが重要です。
では、パートナーが見つからない場合、どうしたらいいのでしょうか?その場合は、社会のサポート的な連鎖の中に入って行くことが必要です。うつ病は、サポートされるという受身な態勢が存続する限り十分には改善しません。
誰かをサポートするという能動的な態勢がとれるようになることが改善にとって不可欠です。誰かが誰かをサポートするという繋がりを社会の中でたどって行くと、大きなサポートの輪を描くことができます。
各人はこの「サポート・リング」の中で、サポートし、サポートされるという関係に置かれることになります。
『離婚後うつ病サポート外来』とは、「相互サポート関係」ないしは「サポート・リング」に入って行くことをサポートしてうつ病を治療する外来なのです。